図書館展示企画 2012年度 第2回
タイトル: 伝承していきたい昔の遊び
期 間 : 2012年 7月~9月
担 当 : 幼児保育学科 専任講師 打越みゆき
伝承遊びは伝承されていないのではないか・・・最近の学生を
見ていて、とても気になっています。
「遊ぶ時間がない」「遊ぶ空間がない」「遊ぶ仲間がいない」と
言われてから随分年月が経っていますが、幼稚園教諭や保育士を
目指して入学してくる学生ですら、ほとんど伝承遊びを知らない、
知っていてもできない、という様子を目の当たりにすると、
「やはり遊んでこなかったのか・・・」と教科書で語られている
「遊びの3つの間の消失」が現実のものなのだと実感します。
でも、遊ぶ環境が整わないことをいつまでも嘆いていても仕方ありません。
昔のように近所の空き地で、近所のお兄さん、お姉さんから小さい
子どもたちに遊びが伝わっていかなくても、幼稚園や保育園、小学校で
「遊ぶ」時間と場所と仲間を確保すればよいのです。
問題は、誰が伝承の担い手となるか、でしょう。
ここ最近の傾向として、小学校では「おじいちゃん、おばあちゃんから
昔の遊びを教わろう」という取り組みが多いようです。
昔の「遊びの達人」は今も達人。その華麗な技はとても魅力的です。
しかも地域交流もできる、という良い面があります。でも、子どもたちが
「遊びの達人」になるためには1、2回のイベントでは足りません。
そうなると出番は「遊び込むための時間がしっかり取れる幼稚園や
保育園の先生」ということになるでしょう。
伝承遊びの魅力は「巧みさ」ではないでしょうか。お手玉にしても、
独楽にしても、剣玉にしても、竹馬にしても、最初の技はそれほど
難しくないのですが、やり始めると次々と難しい技に挑戦したくなります。
練習しなければできない技ばかりなので、できた時の爽快感は格別です。
学生も夢中になって取り組み、中には「マイ剣玉」を購入して練習する学生も
いるほどです。幼稚園教諭や保育士になったら、きっとたくさん子どもたちと
遊んでくれることでしょう。
筆者もたいした技ができるわけではありませんが、
ありがたいことに、学生たちは伝承遊びの技を数多くの本や映像から
「教わる」ことができるのです。
参考資料:
「子どもに伝えたい 伝承あそび-起源・魅力とその遊び方-」
「お手玉」