【図書館】企画展示2022年度第2回
タイトル:『多様性を受け入れる』
期間 :2022年8~11月
担当 :星美学園短期大学 准教授 大井美緒
現在日本では「多様性を受け入れる」動きが少しずつではありますが見られるようになってきました。これは、保育現場においても同じです。今回は保育現場において「多様性を受け入れる」がキーワードとしてあげられるであろう著書を2冊紹介させていただきます。
1冊は『子どもが対話する保育「サークルタイム」のすすめ』です。これは、子どもが対話する保育を実践している園の事例を取り上げた内容です。話し合いのテーマは様々で「遠足でどこに行くか」行き先を決める実践例もあれば、「どきどきって、どうやったらだいじょうぶになっていくのかな?」と答えのない問いについて自分の気持ちや思いなどを伝え合うという実践例も紹介されています。自分の考えを大きな声で言える子どももいれば、小さな声で話す子どもいます。もちろん発言をしない子どももいます。参加の仕方は様々です。当然ですが、子ども達一人ひとりの考えも様々です。このような多様な子どもの声を丁寧に聴き、尊重していくことが対話を行う上で重要とされています。
先日(7月22日)公開された映画『こどもかいぎ』の実践園の保育者の話も載っていますので、ぜひ、映画と共にこの本も読んでみてください。子どもの魅力をますます感じられることと思います。
もう一冊は『「インクルーシブな保育」導入のススメ 多様な子どもたちを受け入れるための心得』です。障がいの子どもと他の子どもとの関係を深めていけるような、そしてどの子どもも大切な存在として育てていく保育の実践を実現していくために必要なことが書かれています。「どの子どもにとっても楽しい園生活」「保育者にとっても多様な子どもがいることで保育が楽しくなる実践」を目指した保育について、事例も挙げながら書かれているので、とてもわかりやすく読みやすい1冊です。
どちらも保育のあり方の大切な要素が詰まっています。保育に携わる上で参考になる本です。
①『子どもが対話する保育「サークルタイム」のすすめ』大豆生田啓友 豪田トモ 著 小学館 2022年
②『「インクルーシブな保育」導入のススメ 多様な子どもたちを受け入れるための心得』若月芳浩 著 中央法規 2022年