図書館展示企画2017年度 第3回
タイトル:子どもと遊び:将棋と囲碁
期間:2017年12月~2018年3月
担当:星美学園短期大学教授 中島千恵子
古来、日本で親しまれてきた代表的なボードゲームに、「将棋」や「囲碁」があります。
それぞれのゲームは、二人で行います。将棋は、縦横九マスずつに区切られた将棋盤と将棋駒を使います。駒は玉将、飛車、角行、金将、銀将、桂馬、香車、歩兵の八種類があり、相手の「玉将」を先に捕獲した方が勝ちとなります。
一方、囲碁は、縦横十九マスに区切られた碁盤と白黒の碁石を使います。自分の石で、盤面のより広い領域を確保した方が勝ちとなります。
これらのゲームのルールは、幼児には複雑なため、ボードのマス目を減らして、駒の動きを簡略化した子ども用のパズルがあります。今回は、これらの玩具を中心に展示いたします。
まず、「どうぶつしょうぎ」は、三×四の盤面と、ライオン、ぞう、きりん、ひよこの四種類の動物の駒を用います。相手の「ライオン」の駒を先に捕まえた方が勝ちです。女流棋士の北尾まどか二段がルールを考案され、元女流棋士の藤田麻衣子氏がイラストをデザインされました。
次に、「よんろのご」は、リンゴの木が描かれた四×四の盤(四路盤)に、赤と黄の色の木製「リンゴ」を置いて、石の取り方を学ぶことができるパズルです。張栩九段が監修されました。
それぞれのパズルは、駒を動物や果物に置き換えることで、子ども達が視覚的に楽しみながら、将棋や囲碁のルールを学べるところが秀逸です。
なお、「どうぶつしょうぎ」の遊び方には、始めと終わりに挨拶することが明記されています。また、羽生善治棋聖も、子どもの頃に将棋道場で身に付けた基本的なことに、「技術的なことだけではなく、礼儀作法や道具を丁寧に扱うこと」をあげています。これらの遊びを通して、子ども達自身が、自分で考えることの楽しさを覚え、相手のことを思いやる心を成長させる場になることを願っています。
参考文献
羽生善治,『直感力』,PHP新書, (株)PHP研究所, 2012
羽生善治,『大局観』,角川新書, (株)KADOKAWA, 2011
星美学園短期大学図書館
03-3906-0056(代)