« 【卒業生の方】2018年8月9月証明書発行について | メイン | 「第3回学校キャラ総選挙2018の表彰状」が届きました! »

2018年8月 7日 (火)

図書館展示企画2018年度 第2回

タイトル:動的描画システムによる子どもへの心理的接近

期間:2018年8月~11月

担当:星美学園短期大学専任講師 太田研


8


皆さんは、子どもを理解する際、子どもの何に注目しますか?子どもの語り、振る舞い、表情、快活さなど、多様な情報から子どもへの理解を深めるのではないでしょうか。これらの項目に加えて、現在、学際的に注目されている項目は、描画です。なかでも、動的描画システムは、子どもが捉える他者との関係性に接近できる方法として、先行研究が増加しています。

 動的描画システムは、Burns & Kaufman(1970)やProut & Phillips(1974)によって開発された描画投影法です。投影とは、描画者が抱く家族や友人、先生、自分自身へのイメージが映し出されることを意味します。動的描画システムは、動的家族画(Kinetic Family Drawing)と動的学校画(Kinetic School Drawing)の2つの方法から成ります。実施方法は至って簡単です。子どもに白紙と鉛筆を渡し、「家族の人たちが(あるいは、学校で)何かしているところを描いてください。あなたを含めて、家族の人たちを(友人、先生を)描くようにしてください。棒状の人間ではなく、人物全体を描いてください。何らかの行為や動作をしているところを描いてください。」と伝えます。

   描かれた家族画や学校画は、(1)人物間の行為、(2)人物像の特徴、(3)人物の位置や人物間の距離、障壁、(4)描画スタイル、(5)描かれた家財具や太陽等のシンボル、という5つの観点から分析します。幼児の場合、自身の心の状態を観察する力、言葉で表現する力は、まだ十分に発達しているとは言えません。描画は幼児にとって、言葉で表すことのできないメッセージを表現する手段です。動的描画システムは、近年、虐待やいじめの早期発見のために活用されています。子どもの描画を観るための知識・技能の向上に役立つ専門書をご紹介します。


8_2


参考文献 

『描画心理学双書 ②子どもの家族画診断』R. C. バアンズ/S. H. カウフマン著 1998年8月 黎明書房 

『描画心理学双書⑧描画による診断と治療』ジェラルドD.オスター/パトリシア・ゴウルド著 2005年9月 黎明書店

『教育臨床アセスメントとしての同的学校画』田中志帆著 2012年1月 風間書房  

『学校画・家族画ハンドブック』ハウァード・M・ノフ/H・トンプソン・プラウト著 2000年9月 金剛出版