【学長からのメッセージ2025.7】「プッツリ時代(続編)」
星美学園短期大学 学長 阿部健一
「プッツリ時代(続編)」
前回、後世の人は、今の時代を「プッツリ時代(神様との繋がりが途切れた時代)」と呼ぶのではないかという話をしました。
しかしながら、今の時代でも、“プッツリ”でない人たちは、います。その“プッツリ”でない人たちが、最近、世界中の注目を集めました。それが、コンクラーベ(ローマ教皇選挙)です。
選挙結果を煙の色で知らせるという珍しさもありますが、それ以上に、普通の選挙とは全く違う選挙である点が関心を集めたのではないかと思います。
普通の選挙では、当選したい人たちが、自分から立候補します。立候補する人たちは、当然、個人的な野心を持った人たちです。自分をPRしたいばかりに盛った話や対立候補の悪口を、時に言ったりします。選ぶ側の人たちは、自分の個人的な思惑に基づいて投票します。
一方、コンクラーベには、そもそも立候補者がいません。したがって、対立候補もなく、自分をPRすることもありません。
では、いったい、誰が、何を手がかりにして、ローマ教皇を選ぶのでしょうか。
選挙権を持つ枢機卿たちが、聖霊の導きを手がかりにして、自分たちの中から、ローマ教皇としてふさわしい人を選びます。
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世界の国々の指導者(大統領・首相・元首と呼ばれるような人たち)の場合は、自ら立候補して、自らPRして、さまざまな個人的・人間的な思惑に基づいて選ばれますが、バチカン市国の元首(ローマ教皇)は、逆に、個人的・人間的な思惑が極力退けられる中で、祈りと聖霊の導きのうちに選ばれます。したがって、世界中の指導者の中でも、全く異質な指導者といえるでしょう。具体的に言えば、ローマ教皇は、“世界の良心の拠り所”と言ってよいと思います。
この、世界で一番小さな国の指導者(ローマ教皇)の語る言葉に、世界がもっと耳を傾けるなら、世界は、変わっていくのではないかと思います。
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