【学長からのメッセージ2025.10】気にしない・あきらめる・当てにしない(1)
星美学園短期大学 学長 阿部健一
―“気にしない”編―
“気にしない・あきらめる・当てにしない”という言葉は、随分昔にある先生(お名前は、忘れてしまいました。)の講演で聞いた言葉ですが、私の中にずっと生き続け、時に人にも紹介してきました。私たちが、人間関係を生きる上での、1つの知恵であるような気がします。
今回は、その中の「気にしない」を取り上げてみたいと思います。
私たちは、他人の言動にイライラしたり、不快感を持ったり、心がザワついたりします。それが、自分に向けられた言動であれば、なおさら強いものとなるでしょう。そして、「なんで私は、あなたのせいで、不愉快にならなければならないのですか!?」と、他人のせいでイライラさせられること自体にイライラすることにもなります。
そのようなイライラを回避するための1つの知恵が、「気にしない」です。
「気になること」を「気にしないこと」にするわけですから、簡単ではありません。「自分」が変わることも必要になります。
まず。「気にしない」という心構えをしっかり持つ必要があります。初めは「気にしない」と自分に言い聞かせつつ「気にしている」自分がいますが、修行の中で、「気にしない」という自分への一言だけで「気にしない」スイッチが入る(自分の意志で「気にしない」気持ちに切り替えられる)ようになります。ここまでいけば、修行の完成ですが、さらに達人の境地に至りますと、「気にしないスイッチ」が常にオンの状態(「気にしない」との意識もなく「気にしない」状態)に至ります(なかなか遠い道ですが)。
私たちは、自分をイラつかせ、ザワつかせ、不愉快にしてくれる人に出会ってこそ、「気にしない」の心構えを通して、人間として成長できるのかもしれません。
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