【学長からのメッセージ2026.2】困難ゆえの神への信頼

星美学園短期大学 学長 阿部健一
困難ゆえの神への信頼
―ドン・ボスコのエピソードからー
1月28日に、サレジオ会の浦田神父様をお招きし、恒例の職員研修が行われました。
テーマは、「ドン・ボスコの困難」でした。
イタリアの産業革命の最中、トリノの街には地方から大勢の若者が流入してきました。その生活は劣悪で、また失業する者も多く、悪い仲間に誘われて非行や犯罪に走り、刑務所に収監される若者が大勢いました。
ドン・ボスコは、頻繁に刑務所を訪れ、若者の友となるよう若者たちと関わりました。そして、若者たちをピクニックに連れ出して、1人の脱走者もなく刑務所に戻るという、信じられないようなことを成し遂げたのでした。
ドン・ボスコは、休日に若者を自分の下に集め、よきキリスト者・よき社会人へと成長するよう、よい環境の中で楽しい休日を過ごさせようとしました。しかし、大勢の元気過ぎる若者たちがドン・ボスコの下に集まってくるということで、周囲の理解が得られなくなり、若者と過ごせる場所をどこにも見つけられなくなってしまいました。
そのときのドン・ボスコの心境を、浦田神父様の資料から引用させていただきます。
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「おそらく生まれて初めて、やるせない気持ちでいっぱいになり涙をこぼしました。そのまま歩き続けながら、目を天に上げて、こうつぶやいたのです。『神さま、子どもたちを集めるようお望みの場所をなぜ示してくださらないのですか。場所を示してくださるか、わたしのなすべきことを教えてくださるか、どちらかをお願いします』」
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ドン・ボスコが、神さまに向かって助けを求めるや否や、パンクラツィオ・ソアーベという一人の男がドン・ボスコのところにやって来て、ジュゼッペ・ピナルディさんの所有地が空いているという情報をもたらしてくれたのでした。
このドン・ボスコのエピソードは、(ドン・ボスコが特別な人だからということではなく)神さまは、必ず、私たちの心の叫びに応えてくださるという希望を呼び覚ましてくれるように思われます。
自分が直面する問題について自分がまったくの無力であることを知らされ、もはや神さまに叫び求めるしかないところまで追い詰められたとき、そして、その問題が神さまの御心に適うとき、神さまは、必ず私たちの思いに応えてくださる・・・という、そんな希望です。
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