【学長からのメッセージ2021.4】繋がり合うこと
私が育った地域では、どこに誰がどんな風に暮らしているか、誰にどんなことがおこったか・・・そんなことをお互いに、ごく普通に知りながら暮らしていました。プライバシーとか個人情報保護とかという言葉とは別世界で、「どこの誰々がどうした」というニュースは、当然のごとく共有されるのでした。煩わしくはありますが、お互いどうし強い「関心」を持ちつつ暮らしていた社会でした。
「関心」は、「繋がり」を生み、「繋がり」は、「助け合い」を生みます。私の茶碗と箸が2軒先の家に置いてあり、大人たちは、自分の子どもだけでなく近所の子どもたちをまとめて遊びに連れて行き、私も、近所の小さい子をよく銭湯に連れて行きました。貸したり借りたり、あげたりもらったり、迷惑かけたりかけられたり、お節介されたりお節介したり・・・「遠くの親戚より、近くの他人」という言葉が、まだ確実に生きていた時代であり、そのような場所でした。このような地域社会の中で、きっとたくさんの人たちが救われていたのだと思います。
今、都市部では、危機管理を優先して、「知らせない社会」、「立ち入らせない社会」になっています。これは、この時代の必然なのだろうと思います。しかし、いつの日か、人間どうしが「繋がる」社会に回帰していくであろうと思います。なぜなら、それこそが、人間が、根源的に求めている「自然な暮らし方」だと思うからです。
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