【学長からのメッセージ2022.12】「まあ、いいか」について(前々回からの続)
星美学園短期大学 学長 阿部健一
「一本、もらえるかな?」と、私が仲間に加わった彼女らは、みんな高校時代に「特別に“目を付けられてきた”」学生たちでした。不思議なことに、みんな出身高校は違うのに、「類は友を呼ぶ」の言葉どおり、この専門学校で出会い、仲間になったのでした。
「教師」に対する強い不信感から、教師に対しては、文字通り、心も体も“斜に”構えていて、授業はやりにくく、学生たちに対しては、“みんな、なに真面目にやってんの?”みたいな雰囲気を醸し出して、なんとなく、クラス全体の学習意欲の足を引っ張るような存在でした。
それが、2年生になると、誰もが認めるほどの、学習意欲満々の別人に変わってしまったのです。
私は訊きました。
「みんな、2年生になって変わったよね」
彼女らは、あっけらかんとして応えました。
「そうだよ。だってこの学校、私たちの服装や髪型のことなんて、何にも言わないじゃない」
この学校は、自分たちを受け入れてくれている、「ここは、私たちの学校だ」と確信できたということなのではないかと思います。
別人のようになった彼女たちが、2年生の後期に、ある事件を起こしていたことを、何年もたってから、彼女らの同級生から聞ききました。
ある非常勤の先生に対し、「おい!お前!今、阿部先生について、なんか言っただろう!ふざけんじゃねえよ!」と、椅子を蹴って教壇に走り、その先生を吊し上げたというのです。
「あれ、あれ、学習態度は変わっても、気性は変わらなかったな」と微笑んでしまいましたが、でも、そんな彼女らも、人生の旅路で修行を積みながら、“一途さ”という彼女ららしい美徳を保ちながら、きっと、すばらしい大人になっていくだろうなと思いました。
彼女らの名前も顔もどこかに行ってしまいました。ただ、出来事だけが、今も生きています。
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