【学長からのメッセージ2025.11】気にしない・あきらめる・当てにしない(2)~“あきらめる”編~

星美学園短期大学 学長 阿部健一
気にしない・あきらめる・当てにしない(2)
―“あきらめる”編―
一般に、人は、自分の思いどおりにならないとキレたり、イライラしたりします。そして、その不快状態をなんとか解消しようとします。
その方法には、大きく3つあります。
1つ目は、自分の思いを妨げる障害物を叩き壊して、あるいは乗り越えて、所期の思いを達成することです。
2つ目は、不愉快な気持を、人やモノに当たって軽減することです。
そして、3つ目は、自分の思いをなかったことにすること、つまり「あきらめる」ことです。
1つ目の方法には、2つあります。
1つは、「ちゃぶ台返し」のように自分の権威や恫喝によって自分の思いを通すやり方、もう1つは、知恵を絞って自分の思いを通すやり方です。自分の思いを通すにあたり、前者は不適切な方法であり、後者は適切な方法であると言えるでしょう。
人生には、どんなに知恵を絞っても、どうにもならないことが多々あります。その場合は、「あきらめる」ことによって不快状態をなくすことが適切な方法となります。
「あきらめる」ためには「あきらめる力」が必要です。この力が育っていなければ、あきらめたくてもあきらめられず、苦しむことになります。したがって、あきらめる力を育てることはとても大切なことで、この点については、次回触れたいと思います。
あきらめることと、がまんすることとは違います。がまんすることは耐えることですが、あきらめることは手離すことです。
あきらめるとは、自分が負っている荷物(こだわり、執着)を捨てて身軽になることでもあります。
人生は、あきらめの連続なのかもしれません。そうであれば、それもまた善いことなのだろうと思います。
*** *** ***
【関連記事】 学長が語る 障がい児保育 第1回~第8回(最終回)
【ブログ】学長からのメッセージ
幼稚園教諭・保育士・特別支援学校教諭の取得を目指す
星美学園短期大学
