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2013年10月 1日 (火)

星美学園短期大学図書館展示企画 2013年度 第3回

タイトル :〜デザインにおける精神的なもの〜

期  間 : 2013年 10月~12月

担  当 : 人間文化学科 教授 永井ムツ雄

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ブルーノ・ムナーリの名を知ったのは、学生時代、同窓のエホケン(絵本研究会クラブ)の人たちが大切そうに持っていた、出版されたばかりのムナーリの絵本『ミラノの霧の中で(1968)』を見せてもらった時でした。

美大の教育方針がバウハウスのドイツ・スイス系のドイツ語圏のグロピウス、カンディンスキー、クレー、アルバースの流れを汲んだ構成主義・機能主義デザイン教育であり、ヴィクトール・ヴァザレリ、ヨーゼフ・ミューラー・ブロックマン、カール・ゲルストナーといったデザイナー作家系列や、ベルギー生まれのパリで活躍したデザイナー、ジャン・ミッシェル・フォロンのシャープな詩情イラストレーション系のためある意味固く、私の好きな傾向ではあるが冷たいはやり傾向にある中で、ムナーリの絵本に出会った時の印象は、自然主義的なデザインがとても優しく、小さな子どもから親の世代にもわかり易く伝わる、人間的な暖かさをたたえたムナーリのイタリアデザインは好感を持って受け入れられ、人間主義的デザインを感じさせられました。

通学途中の、屋上にプラネタリウムの銀の半球ドームの乗った渋谷の東急文化会館の書店で発見したのが『円+正方形』です。

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自然界にある円いものを『円』、矩形のものを『正方形』と、造形の観点からそれぞれ1冊ずつにまとめあげ、2冊セットで販売されており、私たちの人生の中、生きているこの生活環境の中に存在している、様々な、生きてゆくための秩序について簡潔に、やさしく真実の言葉で解説がされており、一つ一つの造形について新鮮な驚きをもって私たちに世界の摂理を伝えてくれた本と言えます。

日本語版しか手に入らなかったが最近になって某美術館のショップでイタリア語版と英語版を発見しました。

2005年からannualでデザインさせていただいている『星美学園短期大学 日伊総合研究所報』では、緑・白・赤のtricoloreとil quadratoでイタリアを。赤い円弧のil cerchioで日本の国旗を表し、それぞれの文化の象徴を対比したイメージをモノクロ写真で表現して2013で9冊となりました。

 ブルーノ・ムナーリ著 

 『円+正方形』その発見と展開 上松正直訳 美術出版社

  ブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari 1907〜1998)イタリア/ミラノ生まれ。

  美術家/グラフィックデザイナー/プロダクトデザイナー/教育者/研究家/絵本作家  

 (Wikipedia)