図書館展示企画2014年度 第3回
タイトル: ドン・ボスコと同時代を生きた人物
期 間: 2014年10月~12月
担 当: 人間文化学科 准教授 中島千恵子
来年、2015年に、本学園創立者ドン・ボスコの生誕200周年を迎えます。
彼が生きた当時の社会は、イタリア統一運動や産業革命により政治が不安定な時代、科学や芸術の分野で大きく発展した時代でした。
今回の企画では、彼と同時代に生きた人物をご紹介いたします。
●Ludwig van Beethoven(ルードヴィヒ・ファン・ベートーヴェン) 【1770年~1827年】
ドイツの作曲家。ウィーン古典派の盛期を成し、ソナタ形式や調性の扱いに強い内面的表現を与え、ロマン主義音楽への道を開きました。ドン・ボスコが生まれた1815年には、「チェロソナタ第4番 ハ長調 作品102-1」などが作曲されました。ベートーヴェン45歳の作品です。
●Michael Faraday(マイケル・ファラデー) 【1791年~1867年】
イギリスの物理学者、化学者。自然に対する並外れた洞察力、優れた実験技術とで電磁誘導の分野で数多くの発見を行いました。一方、子どもたち向けの公演では、科学をわかりやすく話しました。その記録が『ロウソクの科学』です。1861年、ドン・ボスコ46歳の時に出版されました。
●Jean-François Millet(ジャン=フランソワ・ミレー) 【1814年~1875年】
ドン・ボスコより1年前に生まれたフランスの画家。バルビゾン派に属し、感傷的で宗教的な雰囲気の中に農民の姿を多く描きました。代表作に「落ち葉拾い」(1857年)、「晩鐘」(1857年~1859年)、「種まく人」(1850年)などがあります。
●井伊直弼(いい なおすけ) 【文化12(1815)年~万延1(1860)年】
ドン・ボスコと同年に生まれた江戸時代末期の大名。近江彦根藩主。勅許のないまま日米修好通商条約に調印。将軍継嗣問題で尊皇攘夷派らの反感を買い、反対派を安政の大獄で弾圧し、桜田門外の変で横死しました。彦根城天守は現存し、国宝に指定されています。
●Giovanni Melchiorre Bosco(ジョヴァンニ・メルキオッレ・ボスコ) 【1815年~1888年】
イタリアのカトリック司祭、教育者。「ドン」はイタリア語で「神父」を意味し、親しみを込めて「ドン・ボスコ」と呼ばれています。1841年にトリノで「オラトリオ」という新しいスタイルの教育事業を始め、この活動は、現在、全世界へと広がっています。
【参考文献】
ファラデー著,竹内敬人訳(2010)『ロウソクの科学』,岩波書店
日外アソシエーツ編集部編(2007)『人物レファレンス辞典 古代・中世・近世編Ⅱ』,日外アソシエーツ(株)
桑原武夫編(1981)『世界伝記大辞典<世界編>』,(株)ぽるぷ出版
テレジオ・ボスコ著,サレジオ会訳(2011)『ドン・ボスコ伝』,ドン・ボスコ社