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2012年4月 6日 (金)

図書館展示企画 2012年度 第1回

タイトル: 愛と祈りの詩人 八木重吉

       -自然との語らい・人への愛・神へのひたむきな祈り-

担 当 : 人間文化学科 教授 武田秀美

期 間 : 2012年4月~6月

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  八木重吉は、明治31(1898)年に生まれ、昭和2(1927)年、肺結核により

29歳で夭折した詩人です。

  彼は、東京都南多摩郡堺村(町田市)の農家に生まれ、神奈川県師範

学校在学中には日本メソジスト鎌倉教会に出席、さらに、東京高等師範

学校在学中には、小石川福音教会のバイブルクラスで信仰を深め、

21歳の時にプロテスタントの駒込基督会で、キリスト教の洗礼を受けています。

そして、東京高等師範学校を卒業すると、兵庫県御影師範学校の英語

教師となり、詩作に励みました。刊行された詩集は、第一詩集『秋の瞳』

(大正14年)と第二詩集『貧しき信徒』(昭和3年)の2点だけです。

  しかし、その誌には「自然との語らい・人への愛・神へのひたむきな祈り」が、

独自のやさしい口語と、結晶度の高い凝縮された短い詩型により、みごとに

表れています。

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 そして、主たるテーマである「神への祈り」が、純粋・清澄・孤高のイメージに

よってうたわれ、キリスト教の信仰をうたった日本の最高の詩人として、

知られています。とりわけ『貧しき使徒』においては、「貧しき者の幸い」を信じる

独自の詩風が現れています。

  同時代の詩人高村光太郎は、「詩人八木重吉の詩は不朽である。このきよい、

心のしたたりのやうな詩はいかなる世代の中にあっても死なない。」と述べ、

  また草野心平は、「私は詩とはかういふものであるといふことを先ずきつぱり

断言しておく。(中略)日本の基督に関する詩は八木重吉の詩をもつて私は

最高としたい。」と、惜しみない讃辞を贈っています。

(※なお、同じキリスト教の詩人としては、北村透谷、山村暮鳥、野村英夫が

います。)