タイトル:自分の気持ちを大切にする時間
-気持ちと身体を表現することば-
期間 :2022年12月~2023年3月
担当 :星美学園短期大学准教授 中内 麻美
生活の中で自分の気持ちや身体の声に耳を傾けることはありますか?普段はあまり意識しないかもしれません。生まれたときには「興奮」の感情から出発して、次第に「快」「不快」そして生後6ヶ月くらいになると「喜び」「悲しみ」「嫌悪」「恐れ」「驚き」といった基本的感情が芽生えてきます。その後、「照れ」「誇り」「恥」「罪悪感」などの複雑な感情が幼児期にかけて発達します。私たちの感情は、ポジティブであってもネガティブであっても、どちらも大切な感情です。思ってはいけない感情などありません。大切なことは、その気持ちや身体の状態に気づくこと、そして、適切に表現したり、調整を図ることです。今の自分の気持ちや身体の状態を言葉にできますか?なかなか言葉が見つからなかったり、表現の仕方が分からないこともあるかもしれませんね。とくに、自分の気持ちを無視したり我慢している時間が長いと、なかなか本当の気持ちにはたどり着けないかもしれません。
絵本「生きづらさから自由になる気持ちのキセキ」では、トントントンと扉をノックして自分はどんな気持ち?と問いかけます。そして、ネガティブな気持ちも認めることで自分を大切にすることを教えてくれます。絵も文も温かみがあって、ほっとできる一冊です。
「こころとからだコンディションカード」は、子どもも大人も使えるアイテムです。ゲームとしてもコミュニケーションツールとしても使うこともできます。ただ眺めるだけでも、自分と向き合う時間になると思います。
「ガストンのきぶんをととのえるえほん」は、子どもが自分の気持ちに気づいて、怒ったときにはどんな状態か、怒りたくなったらどうすると良いかを教えてくれる絵本であり、大人も参考になります。
今回は、自分の気持ちや身体の状態に気づきをもたらしてくれる資料をご紹介しました。他にも多くの本の言葉は自然と気持ちに寄り添ってくれます。そのときの気分で本を選んで、自分の気持ちを大切にする時間をもってくださいね。
参考資料(書名、著者名、出版社、出版年)
■生きづらさから自由になる気持ちのキセキ 箱崎幸恵(文)せきあやこ(絵)明石書店 2008年
■気づく・えらぶ・伝えるこころとからだコンディションカード プルスアルハ 2022年
■ガストンのきぶんをととのえるえほん おこりたくなったらやってみて! オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ(文・絵)垣内磯子(訳)主婦の友社 2019年