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2021年9月15日 (水)

【学長からのメッセージ2021.9】夕日と紅葉の輝き

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星美学園短期大学 学長 阿部健一


私は、新緑のみどりが大好きです。

結婚式の「新郎のプロフィール」に「好きな色は、新緑のみどり」と書いたくらいです。

新緑のみどりは、命の輝き、希望の輝き、歓喜の輝きです。新緑のみどりは、いつも、大きな喜びと希望で私の胸をいっぱいにしてくれます。

人生も終盤を迎えたせいか、今は、夕日に照らされて輝く紅葉(こうよう)が好きになりました。

青く澄んだ秋空に映える紅葉も美しいですが、「秋の夕日に照る山紅葉(やまもみじ)」と唱歌に歌われるように、夕日に照らされて燃えあがるように輝く紅葉の美しさは、まったく別格の美しさです。長い人生の中で「自分」を捨て去ってきた者だけが到達できるような、深い安らぎと深い喜びに満ちた美しさのように、私には、思われます。

新緑の美しさは、若葉それ自身が放出する、溢れるエネルギーの美しさです。それは、自力によって輝く美しさといえるでしょう。

夕日に照らされて輝く紅葉の美しさは、自身が放出する美しさではありません。自分を超えた存在によって照らされて、輝き出す美しさです。それは、他力によって輝く美しさといえるでしょう。

夕日に照り輝く紅葉に出会うとき、私は、考えてしまいます。

私も、紅葉のように、自分を超えた存在に照らされて、光り輝くことができるのだろうか・・・それとも人生の最後まで、私は、自分自身で輝くことばかり考えているのだろうか・・・。

夕日に照らされて燃えるように輝く紅葉に、私が惹かれるのは、自分の旅路の終わりのことを考えてしまうからなのかもしれません。


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