タイトル: 造形表現がしたくなる絵本たち
-保育における造形活動の導入にも-
期間 :2023年4月~7月
担当 :星美学園短期大学准教授 藤原明子
言葉だけでは伝わりにくいメッセージを、絵本は豊かに伝えてくれます。作者が意図した読み方ではないかもしれませんが、私は造形活動をするときに、絵本に助けてもらうことが良くあります。今回は、今年度保育内容の指導法「表現(造形)」を履修する1年生の皆さん、幼稚園教育実習で責任実習を経験する2年生の皆さん、保育実習Ⅱ・Ⅲで責任実習を経験する専攻科の皆さんに、おすすめの絵本を紹介します。
1.絵具で形や模様を写す活動「スタンピング」がしたくなったら
「やさいのおなか」(きうちかつ)→やさいのおなか(断面)が、色々な形をしていることに気づかされる絵本です。
「やさいでぺったん」(よしだきみまろ)→お料理中のお母さんの手元から転がってきた野菜の切れ端。そこから楽しいぺったん遊びが始まります。
2.デコボコを写す活動「フロッタージュ(こすりだし)」がしたくなったら
「やさいのせなか」(きうちかつ)→モノクロのフロッタージュを見て「なんのやさいかな?」と考えながらページをめくる、フロッタージュの絵本。普段なにげなく食べている野菜の、触感に気づく絵本です。
「ばけばけはっぱ」(藤本ともひこ)→秋の落ち葉や木の実を並べるといろいろな動物の形に。お散歩で拾った葉っぱを、並べて遊びたくなる絵本です。葉っぱのフロッタージュをするときにも、おすすめです。
3.クレヨンで楽しむスクラッチ(ひっかき絵)をしたくなったら
「くれよんのくろくん」(なかやみわ)→作業の順序が重要なスクラッチ。絵本を通して、クレヨンの「黒」にはとても素敵な役割があることに気づくとともに、作業の順序も理解できます。
4.絵具を混ぜて、新しい色ができるのを楽しみたくなったら
「あおくんときいろちゃん」(レオ・レオーニ)→仲良しのあおくんときいろちゃん。あれあれ、みどりに・・・。グラフィックデザイナーだったレオ・レオーニの絵本には、スタンピング、コラージュ(ちぎり絵・切り絵を含む)など、様々な造形技法が用いられていますので、「スイミー」「フレデリック」「うさぎを つくろう」など、他の絵本も手に取ってみてください。
参考資料
①「やさいのおなか」きうちかつ 福音館書店 1997
②「やさいでぺったん」よしだきみまろ 福音館書店 1991
③「やさいのせなか」きうちかつ 福音館書店 2005
④「ばけばけはっぱ」藤本ともひこ ハッピーオウル社 2012
⑤「くれよんのくろくん」なかやみわ 童心社 2001
⑥「あおくんときいろちゃん」レオ・レオーニ 至光社 1967
今回の特集コーナーのテーマは
「心が軽くなる本」
心が疲れてヘトヘト。そんな日が続いたら、ぜひ図書館へ。本はそっと寄り添ってくれる友だちみたいなもの。今回は先生方にご推薦いただきました新着資料のなかから、心を整える方法、不安や心配の感情とうまくつきあう方法を教えてくれる本を、ピックアップしました。
図書館HP「新着資料」のページも合わせてご利用ください。
2月1日(水)~4月2日(日)まで春期休業期間といたします。
休業期間中の開館は、次の通りです。
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開館日 : (開館日カレンダーを参照)
時 間 : 9:15 ~ 15:00
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1年生および専攻科へ入学予定の方へ
1月17日(火)より、春期休業貸出を以下のとおり開始します。
貸出冊数 : 8冊
返 却 日 : 4月6日(木)
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卒業予定者(2年生および専攻科生)の方へ
(ただし、期日までに返却することが可能な学生のみとします。)
最終貸出日は、1月30日(月)
最終返却日は、2月17日(金)
タイトル:自分の気持ちを大切にする時間
-気持ちと身体を表現することば-
期間 :2022年12月~2023年3月
担当 :星美学園短期大学准教授 中内 麻美
生活の中で自分の気持ちや身体の声に耳を傾けることはありますか?普段はあまり意識しないかもしれません。生まれたときには「興奮」の感情から出発して、次第に「快」「不快」そして生後6ヶ月くらいになると「喜び」「悲しみ」「嫌悪」「恐れ」「驚き」といった基本的感情が芽生えてきます。その後、「照れ」「誇り」「恥」「罪悪感」などの複雑な感情が幼児期にかけて発達します。私たちの感情は、ポジティブであってもネガティブであっても、どちらも大切な感情です。思ってはいけない感情などありません。大切なことは、その気持ちや身体の状態に気づくこと、そして、適切に表現したり、調整を図ることです。今の自分の気持ちや身体の状態を言葉にできますか?なかなか言葉が見つからなかったり、表現の仕方が分からないこともあるかもしれませんね。とくに、自分の気持ちを無視したり我慢している時間が長いと、なかなか本当の気持ちにはたどり着けないかもしれません。
絵本「生きづらさから自由になる気持ちのキセキ」では、トントントンと扉をノックして自分はどんな気持ち?と問いかけます。そして、ネガティブな気持ちも認めることで自分を大切にすることを教えてくれます。絵も文も温かみがあって、ほっとできる一冊です。
「こころとからだコンディションカード」は、子どもも大人も使えるアイテムです。ゲームとしてもコミュニケーションツールとしても使うこともできます。ただ眺めるだけでも、自分と向き合う時間になると思います。
「ガストンのきぶんをととのえるえほん」は、子どもが自分の気持ちに気づいて、怒ったときにはどんな状態か、怒りたくなったらどうすると良いかを教えてくれる絵本であり、大人も参考になります。
今回は、自分の気持ちや身体の状態に気づきをもたらしてくれる資料をご紹介しました。他にも多くの本の言葉は自然と気持ちに寄り添ってくれます。そのときの気分で本を選んで、自分の気持ちを大切にする時間をもってくださいね。
参考資料(書名、著者名、出版社、出版年)
■生きづらさから自由になる気持ちのキセキ 箱崎幸恵(文)せきあやこ(絵)明石書店 2008年
■気づく・えらぶ・伝えるこころとからだコンディションカード プルスアルハ 2022年
■ガストンのきぶんをととのえるえほん おこりたくなったらやってみて! オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ(文・絵)垣内磯子(訳)主婦の友社 2019年